第6話:ラーマは一日にしてならず
前回までのあらすじ:豪は謎の風に飲み込まれていった。
二人はラーマの神殿の地下2階に来ていた。
もうこの辺りからは人気がない。
上の方に見張りがいるためなのだろう。
もちろん施設もなにもない。魔物の気配すら感じられない。
ボン「なんか地下30階まで行くのが簡単な気がしてきたんだけど・・・」
盾矢「油断するな。これからが問題だ。」
二人はどんどん奥へと進んでいく。
盾矢「果たして、豪の奴はここに来るだろうか・・・」
ボン「風に飲み込まれたっていう地点で無事かどうかが判断できないんだけど・・・」
盾矢「あいつのことだ。無事であることに間違いはない。」
ボン「それもそーだね。」
二人はあんまり心配もせずにさっさと行ってしまった。
豪「ここは・・・どこだ?」
豪が目が覚めるとみた事のない風景だった。
どこか建物の中ということは間違いない。しかしひんやりとしていて誰もいない。
豪は辺りを見回した。階段が5つほど見える。
豪「・・・ほんとにどこなんだ?」
豪は立ち上がって寝ていた所から降りた。
よく見ると豪が寝ていたところは祭壇らしきものだった。
豪「・・・祭壇・・・?ラーマか!?」
豪はもっていた剣を取り出した。
豪「ラーマの地下には魔物が住んでいるらしいからな。気をつけないと。」
豪が適当に辺りを見回すが、魔物の気配はない。
豪「・・・それよりもここがどこかが分からないのが恐い・・・」
豪は階段の方向へと歩き出した。
豪「待ってろ!『たかし』君(11)!お兄ちゃんが助けてあげるからね!階段なんか総当たりで行けばなんとかなる!!」
豪はそのまま猛ダッシュで階段を駆け上がっていった。
豪「うおおおおおおおおおお!」
建物中に叫び声が響き渡っていた。
豪「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!お?」
豪は明るい所に出た。そこはラーマの町であった。
豪「????こんな所に秘密の階段なんかあったか?」
後ろを見ると階段が消えている。
豪「はっは〜ん。『しらべる』コマンドを押さないと現れないって訳だな。そりゃ!」
『豪は足下を調べた。しかし何も見つからなかった。』
豪「そ、そんな馬鹿な・・・気のせいだよな・・・?もう一回・・・そりゃ!」
『豪は足下を調べた。しかし何も見つからなかった。』
豪「まさかな・・・ちょっと場所が違うだけだよな。ここに違いない。そりゃ!」
『だから何も見つからないってば!』
豪「・・・・・・・」
二人はラーマの神殿をどんどん降りていった。
ボン「ねぇ?今豪の声がしなかった。『うおおおおおおおおお!』って。」
盾矢「空耳だろ。熱でもあるんじゃないのか?」
ボン「そうかな?絶対に豪だったと思うけどなぁ・・・」
二人はすでに地下6階へと足を踏み入れていた。
盾矢「地下8階からモンスターが出てくるから気をつけろよ。」
ボン「ここって一度入ったら二度と入れないんじゃなかったっけ?」
盾矢「そうだ。」
ボン「・・・一度入った事があるって感じに知識があるからさぁ・・・」
盾矢「これが3回目だ。なんか文句あるか?」
ボン「え〜。つじつまが合わないのですが・・・」
盾矢「気にするな。」
盾矢はすたすたと歩いていった。
ボン「(明らかに計算が合わないんだけど・・・)」
盾矢「すたすたすたすたすたすた」
ボン「待って下さい〜〜」
盾矢「ピタッ!」
ボン「ごすっ!」
ボンは盾矢に激突した。
ボン「なんで急に止まるんですか!?」
盾矢「待てと言われたからだ・・・」
ボン「そーいやそうかもね。ハハハ・・・・・」
盾矢「さっさと行くぞ!」
ボン「了解!」
そうして二人は地下7階への階段へと足を踏み入れていった。
ボン「そういえば気になる事があるんだけど・・・」
盾矢「なんだ?」
ボン「なんかもっとふざけた話じゃなかったっけ?」
盾矢「気にするな。作者がネタに詰まっているだけだ・・・」
ボン「な〜んだ♪」
無駄な会話をしながら地下7階を飛ばして8階についた。
盾矢「気をつけろよ!この階から魔物が出てくるからな!」
ボン「あのさ〜。階段がなくなってるんだけど・・・」
盾矢「気にするな。不思議のダンジョンになってるだけだ。」
ボン「な〜んだ。そうだったのか〜♪・・・って不思議のダンジョン!!!!!?????」
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