第7話:聖なる迷宮
前回までのあらすじ:なんとラーマ神殿は不思議のダンジョンだった。
ボン「ねぇ・・・無気味だから帰ろうよ。」
盾矢「なにを言ってるんだ?ここは不思議のダンジョンだと言ったはずだ。」
ボン「なんか納得行かないなぁ・・・つじつま合わないし・・・」
二人は階段をどんどん降りていく。
ボン「ねぇ?敵は出てこないの?」
盾矢「お前は今の自分のレベルが分かっているのか?」
ボン「LV23のはずだけど?」
盾矢「画面の上の方を見てみろ。」
ボン「はぁ?上の方?って俺のLV1かよ!!」
盾矢「不思議のダンジョンに入る度にLVが1になるのは常識だろう。」
ボン「僕の努力が・・・」
盾矢「泣くんじゃない。泣いてたら強力なモンスターが襲ってくるぞ。」
ボン「僕のLVが・・・」
そんな風に泣いている内に17ターンを経過していたらしくモンスターが姿を現わした。
盾矢「お前のせいで強力なモンスターが現れたじゃないか!!どうしてくれるんだ!」
ボン「文句を言うんなら連れてこないでよ・・・」
盾矢「あ〜あ。満腹度が50%を割ったじゃないか・・・」
ボン「(いや、そんな事いわずにモンスターを退治する方法考えてよ・・・)」
盾矢「仕方がないなぁ。」
なぜかボンの心の中を察知したようで巻き物を取り出した。
盾矢「白紙の巻き物に『じぇのさいど』と書いてあいつに投げる!!」
「白紙:じぇのさいどはコボルドに当たった。」
ボン「(えっ・・・強力なモンスターじゃなかったの?)」
盾矢「名前に左右されるんじゃない!あれはこのダンジョンの中で最強のモンスターだ!」
またまたボンの心の中を察知して言った。
ボン「名前と姿が一致しなかったのですが・・・」
盾矢「やつは『店主よりも強く、番犬よりも速く、ぶたの貯金箱なんかひとっとび!』なんだぞ!」
ボン「いや、全然分からないんですが・・・特に最後が・・・」
盾矢「以前、あいつに一度だけ勝った事があったが非常に苦戦した・・・」
ボン「装備はなんだったの?」
盾矢「鋼のエンピツ+85とチタンの下敷き+93だ。」
ボン「う〜ん。鋼のエンピツって実用性あるの?」
盾矢「馬鹿にするな!基礎攻撃力25の強力武器だぞ!」
ボン「武器としてより文房具としての働きがなさそうなんだけど・・・」
盾矢「不思議のダンジョンに文房具が必要なのかお前は?」
ボン「いえ・・・いりません。」
盾矢「もう少し考えろ!」
ボン「(早く帰りたい・・・)」
なぜか無駄な会話が展開している内に地下20階に到達していた。
盾矢「・・・来る!」
「モンスターハウスだ!」
ボン「えっ・・・?(汗)」
盾矢「おい!準備をするんだ!」
ボン「なんの?」
盾矢「めぐすり草を飲んで落とし穴を探すんだ!このフロアには階段はないからな!」
ボン「(もういやだ・・・)」
盾矢「一応、コボルドは出てこないからな。安心して落とし穴を探索できる。」
ボン「(いいや。適当に探しているふりだけしておこう。)」
ボンは適当にうろつき始めた。
「ボンは落とし穴にはまった。ボンに3ダメージ。」
ボン「ああああぁぁぁぁ・・・・」
ボンの声は聞こえなくなった。
盾矢「でかしたぞ!さすがだ!とお!」
「盾矢は落とし穴にはまった。ボンに5ダメージ。」
ボン「あれ?ここは?」
ボンが気がつくとラーマの神殿の地下7階だった。
ボン「お、俺は倒されたのか?はっ!」
ボンは自分のアイテム袋を探っている。
ボン「アイテムがない・・・ない〜ぃぃぃぃ(泣)」
さらにボンはポケットに手を突っ込んでみた。何も入っている感触がない。
ボン「愛しのマリンちゃんのプロマイドが・・・なぃぃぃぃぃぃぃ(泣)」
ボンは暴れて壁に激突し始めた。
ボン「ひどいよぅ・・・いくらなんでもここまでしなくてもいいじゃないかぁ・・・(泣)」
ボンはどんどん柱に激突していく。
バキッ!
嫌な音がした。なんと柱が折れたのだ。
ボン「えっ?」
ボンは我に返った。しかし時は遅し。すでに崩れ始めていた。
ボン「うそ〜〜〜〜!!!!!」
そしてボンはマッハに近いスピードで地下に降りていった。
どんどんどんどんスピードを上げていき、気がついたら地下30階にいた。
ボン「はっ!ここは・・・」
なぜか盾矢はすでにいた。しかもなにも知らないらしい。
盾矢「おっ?どうした。」
ボン「・・・し、神殿が・・・」
盾矢「はぁ?はっきり物事は言えよ。親に教えられただろ?」
ボン「神殿が崩れ始めてる!」
盾矢「はぁ?何を言ってるんだお前は?ここが崩れるはずがないだろう。」
ボン「だ、だって!」
盾矢「お前は疲れているんだ。少しは休めよ。大体今まで気絶してたんだし。」
ボン「へ?」
盾矢「落とし穴に落ちたらずっと地下30階まで落とし穴が続いてたみたいで・・・まあラッキーだったな。」
ボン「・・・夢オチ・・・?」
盾矢「気にするな。この部屋の向こうにあいつがいるんだ。」
ボン「豪は来ないの?」
盾矢「な〜に。来ない方が俺の出番が多いからいいんだ。」
ボン「・・・・・」
緊張感があるのかないのかよく分からない二人であった。
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