第8話:激動の2分51秒
前回までのあらすじ:やっとラーマ神殿の地下30階に降りる事が出来た。
盾矢「じゃあ扉を開けるぞ。」
ボン「・・・うん。」
ギィィィィィ
錆付いたような扉の音が鳴り響く。
盾矢「・・・・・」
ボン「・・・・・」
盾矢「誰もいないじゃないか・・・」
ボン「・・・無駄足?」
盾矢「さて、帰るとするか・・・」
盾矢「空間移転・・・トランスポート!!!」
謎の光に包まれた盾矢はいなくなっていた。やっぱりローブは残っているが。
ボン「お、おい!俺を置いていくなよ〜〜〜!!!!(泣)」
山彦「置いていくなよ〜よ〜よ〜よ〜よ〜」
謎の声「うるさいなぁもう・・・」
ボン「あ、あれ?『たかし』君(11)じゃないか?」
たかし「ん?こんにちわ。」
ボン「・・・こんにちわじゃないよ・・・なんでこんなところにいるの?」
たかし「ん〜♪合宿かな?」
ボン「・・・俺は何の為にここに来たんだ・・・?」
たかし「もう帰っちゃうの?」
ボン「ああ・・・」
ボンは右足を引きづりながら左足をかばって出ていった。
たかし「あっそうだ。」
しかしそう行った時にはすでにボンはいなかった。
たかし「・・・・・」
神殿から出てきたボンははぁとため息をついた。
ボン「凄く損した気分・・・それもこれもあの魔法使い野郎が悪いんだ!!」
なにかグチグチと言いながらその場を去っていった。
ボン「そういえば豪のやつはどうなったんだろうか?」
すっかり作者も忘れていた。ラーマの神殿に入ったきりどうなったのだろうか?
なんだかラーマの祭壇の裏口付近がざわめいている。
よく見ると入り口に見覚えのある男が倒れていた。
ボン「豪か!?」
ボンはすかさず豪のそばへかけよった。
ボン「豪!大丈夫か?」
豪「うぅ・・・俺は絶対多分きっと駄目かもしれない。」
ボン「なんか日本語がおかしいような・・・」
豪「だから俺の伝言を聴いてから行くのじゃ!」
ボン「はぁ?」
豪「この先は不思議のダンジョンになっている。きっと宝が隠されているに違いない!」
ボン「はぁ・・・」
豪「分かったな!俺の代わりにお前が宝を見つけるんだぞ!」
ボン「・・・嫌だ。」
豪「何ィ!!欲しくないというのか!!?」
ボン「だって・・・地下30階には『たかし』君(11)がいるんだもん・・・」
豪「何ィ!!それは本当か!!」
なぜか急に興奮しはじめる。何を隠そう御存知の通り彼はショタコンだからだ。
豪「ふっふっふ。悪党どもめ!『たかし』君(11)をどうするつもりかは知らんがこの豪様が成敗してくれるわ!!」
ボン「いや、違うって・・・」
豪「危ないからって止めてくれているのか?安心しろ。俺は『たかし』君(11)の為なら百人力ぃ!」
ボン「全く話がずれている・・・」
豪「行くぞぉぉぉ!!」
豪は高速で神殿に入っていった。
一人にも関わらずバーゲンの時のおばさんぐらいの勢いがあった気がした。
ボン「心配した俺が馬鹿でした。」
そう言い残して彼はそこを去った。
ちなみにしばらくの間、神殿周辺の子供達の間では『たかし』君(11)ごっこが流行ったらしいがそれはまた別の話。
戻る